Ayuo and Seashell ドビュッシー1 2010年7月10日(土)東京・渋谷 公園通りクラシックス

・18:30開場。入っていきなり上野さんが絶賛一人リハーサル中だった(笑)。
・開演直前には立ち見が出る盛況。
・観客には詳しい曲順のプログラムが渡される。朗読される詩の日本語のコピーもあり。
・出演:Ayuo:vocal・朗読 etc. 甲斐史子:violin大鹿由希:violin宮野亜希子:viola
松本卓以:cello上野洋子:vocal・朗読・keyboard etc. Yoshie:dance・朗読 立岩潤三:percussion
・上野さんのお召し物 – エンジとグレーの大きめのギンガムチェックの半袖ワンピース+グレーのカットソー、黒のロングスカートの重ね着。
・19:40開演。舞台下手側のスペースが大きく取られ、ベリーダンスのYoshieさんがパフォーマンスをするようになっていた。Ayuoさんもヘッドセット型のマイクを使用してYoshieさんと共に振り付きのパフォーマンスをしたりしていた。このマイクが調子悪くてたまに音が途切れたりしたのが残念。
・上野さんは基本的に奥でキーボードの前。楽譜および朗読用詩のコピーがあって、一曲終わるごとにどんどん足元に重ねられていくのであった。

・演奏は二部構成。第一部はドビュッシーの楽曲の弦楽四重奏によるアレンジ、上野さんの朗読、Yoshieさんの朗読とベリーダンス、Ayuoさんの朗読と唄(英語が中心)がミルフィーユのように重なって進む構成。朗読される詩はピエール・ルイスが書いた架空の女性詩人ビリティスの詩。妖艶なベリーダンスと、恋の情熱を歌う官能的な詩。それにしてもベリーダンスの人はもれなく超絶美女だよなー。

・第二部。ここで上野さんの新作。演奏前に本人から説明。ホールトーンという、一般にいうドレミファソラシドではない音階による曲(実際にキーボードを弾いて説明)。アジアや東ヨーロッパなど、後期のドビュッシーが好んだ要素を集めて作ったが結果的にはそれらしく聴こえない曲になった。Ayuoさんの正統派な曲に比べて、私の曲は余興みたいなものだと思って下さい。タイトルは「opus*822」822曲目、ではなくドビュッシーの誕生日が8月22日だから。
・説明が終わって突然上野さん上手前方端に移動。「?」と思ったら何とそのまま床に座って曲開始。 見 え ま せ ん (泣)。いや聴こえるけど。
・楽器も何を使ったのか直接見えないがタンバリンのようであった。スレイベルらしきものがあったのが見えた。
・そして弦楽四重奏に立岩さんと上野さんのパーカッションが重なる。立岩さんのグングル(インドの鈴)と2種類の鈴の音が重なってアジア的なリズムをつくる。シャンシャンいってかわいらしい。弦楽とミスマッチかと思ったらいつの間にか馴染んでいる不思議な曲だった。
・AyuoさんのMCのあと、「Song of songs」。元はAyuoさんが女性ヴォーカルとデュエットしていた曲だが、上野さん一人でアカペラ。「ああ、ほんと唄うまいなぁ…(しみじみ)」と聴き惚れ。確かにこれは唄以外何もいらんわ。
オスカー・ワイルドの『サロメ』をモチーフにした曲など。ドビュッシーとワイルドは同じ芸術家のサロンでの知り合いで、この有名な戯曲もサロンで語られた物語が基。ここでもYoshieさんのベリーダンス。あのベールの踊りってこういうのだったのかなぁ。
・Ayuoさんの過去のアルバムでもカヴァーされている、ジェネシスの「The Lamia」。旧約聖書以前の世界の蛇の女神が登場する美しい悪夢の世界。上野さんの日本語詞の朗読→Yoshieさんのダンス&Ayuoさんの英語の唄。幻想的で良かった。
・アンコールはなし(というか出来ないか)。Ayuoさんが一人づつメンバー紹介して終わりました。